2006年07月09日
●ブックフェア
すっかり昨日は忘れていたが、ブックフェアに行った。
今回はすっかり、専門書の割引購入目的。とはいえ、ビックサイトに向かいながら、交通費を考えて、「いくら買えば、元は取れるんだ?」という疑問がもたげたりもしたが。
今回は、昨年のような山川出版の日本史小辞典が若干傷ありで1000円なんていう、お買い得品は無かったものの結局、2万円近く買ったので、それなりに元は取れた。
そういや、生協の2万円をまだ受け取っていないから、大学へ行くと1割引で買えるんだっけ。
2006年03月13日
●身の丈にあった
常日頃思うのが、「図書館員にビジネス支援は出来るか」ということ。そういう点で、愛媛県立のビジネス「情報」支援サービスというのは、堅実で明確な打ち出し方である。図書館員ができるのは、レファレンスであり、「こんな情報が欲しい」という相談に対して、探し方や該当資料を提示してあげること。それ以上の助言は図書館員の扱える領域ではないだろう。コンサルティングに関わる部分はあまり踏み込むべきではない。
>経済産業省四国経済産業局や県工業技術センターなど、連携する23機関を紹介する。
というのも、いいシステムである。ビジネス支援は図書館だけで行えるものではなく、関連団体との連携が重要である。「ビジネス支援」という言葉ばかりが先行するなかで、身の丈にあったといえる愛媛県立図書館の姿勢は評価できる。
2006年02月25日
●盗人に。。。
盗人に追い銭とはよく言ったもの。
中央図書館の督促担当いわく、
「卒業見込者から期限までに返却されなかった図書の督促は行わず、欠本とする」
だそうだ。
返さない者勝ち。現代の徳政令。
潤沢な予算の中央図書館はそれでいいんだろうけどね。いっそのこと、返却期限なんか決めなきゃいいし、そもそも貸出手続きなんて取らなくていいんじゃないの。
まあ、なんとか自己防衛を図るしかないようだ。それとも、
「返さなくていいよ」
と、周知してやる?
2006年02月22日
●民間で出来ることは・・・
見出しを見ただけで、ものすごく気になった。静岡市図書館と言えば、利用度の高さで有名なわけで、いったいどうやって導入するのかと思ったら、これまたややこしい手法で行おうとしている。まず、市立西奈図書館で導入をとあるが、複数ある図書館の1館で導入というのはサービスの均一化という点でやはり疑問が生まれる。ただでさえ、静岡市は平成の大合併の象徴のような寄せ集めの状態で、どの程度旧市町村図書館間でのサービス格差があるのか気になるところで、指定管理者が加わればかなりの混乱が生じるように思える。
別に、記事にあるように、「サービスの低下につながる」「民間業者に維持できるとは思えない」といった指定管理者の運営能力について疑問視するわけではない。山中湖情報創造館を見れば分かるだろう。しかし、今回のケースでは、サービスや運営方針の統一という部分で、1つの自治体のなかに複数の運営者が混在すると言う状況に懸念が生じる。
今の職場でもそう。学部図書館は複数あるわけだが、貸出規則は統一だが、学部図書館自体の利用規則やカウンター対応などには差がある。これは、全学統一システムに参加した時期が違うため、それまでの個別に運営していたため運営ポリシーにも違いがある。しかも、各学部図書館間の職員の差なんてものもある。専任職員がいる学部と派遣職員のみの学部という違いもあれば、職員自身の経験、スキルの差もある。今年他学部の職員まで集めて蔵書点検の講習会を開かねばならなくなるように、ずいぶんと差がある。
そもそも同じ派遣職員でも、適当に空きが出たところに割り振られた職員と図書館に興味があるもしくは司書資格を持っているから派遣された職員とでは、自然と取り組む姿勢も違ってくるから、どうしたって差が出てくる。
おそらく静岡市の図書館も旧静岡市とそれ以外では図書館運営のあり方が大きく違うだろう。そうしたなかで、サービスの均一化を図らねばならず、当然その場合には高い水準のサービスに統一しなければならない。ここをクリアできるかどうかが最大の課題となる。ソフトランディングのために段階的導入という意図は分かるが、なかなか難しいだろう。
指定管理者の先駆者である山中湖情報創造館を目指すのもいいが、山中湖村で唯一の図書館(と同等の機関)という点を忘れてはならない。
2006年02月19日
●図書館最大の悩み。
伊那市立図書館が「不明本」解消対策 館内で買い物かご使用推奨
今年度の蔵書点検では、欠本いわゆる不明本が増加した。
去年の7月と12月、今年の1月という試験直前期に、学生の問い合わせで、確か8冊が不明本が明るみになった。そのうち5冊が、蔵書点検前に発見され、先日の蔵書点検で1冊が発見された。なかには、前日の午後までなかったのが、いつの間にか所定の書架に戻っているなんてことも。これは、おそらく利用者がどこかに、隠しておいて使い終わって戻したものと見られる。そのほかにも、まったく違う書架に置かれていたり、「禁帯出」のラベルを隠して別の書架に置かれていたりと、自分が使うために確保していたと見られるケースがあった。結局蔵書点検でも見つからなかった不明本が2冊で、蔵書点検で新たに発覚した不明本が2冊の計4冊が新欠本となった。
もともと、かばん類はロッカーに入れてからの入室してもらっており、カウンターを通り過ぎないと退室できないようになっているうえ、BDSも付いているからこの程度で済んでいる。これはかなりの好成績で、他学部の図書室はもっと多いそうだ。入室前にかばん類をロッカーに入れるのがウチだけというのもあるだろう。確かに、約6万7千の図書のなかで4冊の欠本ならば、いいほうなのだろう。球に貸し出しでうまく読み込んでいないケースもあるから、蔵書点検で発覚した2冊は返却図書として戻ってくるかもしれない。
本の無断持ち出しをいかに防ぐかは、図書館が一番頭を悩ませる問題。指定管理者制度で運営の山中湖情報創造館では、(おそらく営業上の損失のため)教育委員会へ弁償することとなるそうだ。手っ取り早くBDSを導入するのもいいが、すでに稼動している図書館で導入する場合には、下手をすると、
「利用者を泥棒扱いするのか」
と苦情が出るだろうし、公立図書館ともなれば、
「市民の税金で運営されているのに、その市民を疑うのか」
となりかねない。伊那市立図書館がBDSを導入しているかどうかは分からない。とりあえず、無断持ち出しかどうか人目で区別するように、買い物かごを導入するのはひとつの手ではある。しかし、掲示であからさまに、
「紛失本をなくすため」
と書くのはどうだろう。注意を喚起したいんだろうが、諸刃の剣である。かごそのものの便利さを感じる人もいるので、別の表現があったようにも思われる。
2006年02月15日
●まだまだ優秀ではあるが。
そうそう、蔵書点検の結果。
欠本は4冊。
去年の7月に1冊と今年の1月に1冊、不明本が出てきたのに加えて、マッチング作業で新たに2冊の欠本が発覚。去年、一昨年とそれぞれ1冊だったのからずいぶんと増えた。
これでも、かなり少ない方ではあるが。
結局、6日に始まって9日にスキャンを終えて、10日と13日にマッチング作業と追跡調査。作業の進捗もなかなか優秀だったとはいえる。
ちなみに、現在は書架移動中で、これがパズルのよう。
2006年02月10日
●出来上がりはコチラ。
本日から、蔵書点検はマッチング作業に。
午前中は、まずデータ整形を行う。出力したデータをエクセルで貰うのだが、その際に「1-1」などという巻号表記が、「1月1日」と変換されてしまっているので修正を行う。別に、直接マッチング作業に関わらないのだが、スキャン無しリストに上がった時に探しにくいので、面倒だが気付いた範囲で修正をかけた。
あとは午後のプチ講習会に備えて、マッチング作業をある程度進める。年に1回の作業なので、思い出しながらとなる。マニュアルにも間違いがあるので、そのあたりも踏まえて説明に備える。イチからすべて作業すると、時間的に厳しいので、料理番組方式で、作業の途中段階ごとにファイルを複製する。
でもって、午後はプチ講習会に。説明しだすといろいろ出てくるので、しっかり2時間超かかった。自分にとってはどうってことない手順でも、「??」って感じなことがあるので、きっちり説明するから、どうしても時間がかかってしまう。結局マッチング作業は完了せず、捜索作業に入ることも出来なかった。
マニュアルにもいろいろ不備が出てきているので、こちらも改訂版を作成しないといけない様子。でも、これって、自分がやる仕事なのかは不明。まあ、現在のマニュアルも別の学部図書館にいた派遣社員が作成したものだったりするんだけど。
2006年02月09日
●ハイペース
蔵書点検は、午前中でスキャン終了。
今年はいつになく早くスキャンが終わる。今までだって、別にチンタラやってたわけではないので、今年は休憩時間が少なかったからだろう。
明日はマッチング作業。またミニ講習会に。でも、年1回の作業だから、そんなに覚えてないんだよな。そもそも、データ整形をやっている途中なのに、いきなり前倒しして明日に設定されても困るというのに。
2006年02月07日
●民間の活用という視点。
建国の父も称賛?--グーグルの書籍デジタル化プロジェクトに援軍
まあ、協力関係にある図書館の館長の発言だから、多少差し引いて考える必要はあるだろう。ただ、「保存作業への取り組み」という視点は、確かにうなずける。民間企業が保存作業の一端を担うことで、多くの資料がデジタルアーカイブ化かされて、半永久的に保存されるのであれば、大きなメリットだろう。
短期的に見れば、図書の売り上げに関わることかもしれない。しかし、いつか絶版になる日が来るわけで、そうなった後にも、デジタル化されたことで多くの人の目に触れることになるのであれば、意義のあることだろう。
2006年02月06日
●恒例行事の抱える問題
今日から蔵書点検。
他学部からも派遣職員が来て、プチ講習会を行う。一昨日も書いたように、本当は中央の学部図書館統括の専任職員がやるべきことなんだけどねえ。
金曜には、スキャン後のデータ照合のやり方がわからず、学部図書館統括の専任職員がウチに去年のファイルを貰いに来るなんてことも。結局、やり方を知っている人間が学部図書館系にはほとんどいないというのが現状。人事上の問題もあるのだろうけど、こういった人材不足はいつかツケがくるんじゃないのかな。年1回しかやらないことだけど、極めて重要な業務。それだけに、人材の確保って大事だと思うのだが。
進行状況は講習会をした割りには順調。目標は5日間でスキャン終了。なんとか、間に合うかな。
2006年02月04日
●営業終了
2005年度の最終開室日。
入試の関係で入構制限がかかるので、春休みとあわせて、新年度までの長期閉室機関に入る。まあ、すでに学年末試験も終わっているので、来室者も非常に少ない。
週明けからは蔵書点検。今年は他学部の図書室の人に教えることに。これって、本来中央のやることで派遣職員の自分がやることではないような。
2006年02月02日
●一夜城?
昨日配信された『カレントアウェアネス-E』に気になるニュースが。
「アロヨ大統領,組み立て式図書館建設を指令(フィリピン)」
途上国の図書館事情、読書環境もさることながら、やはり「組み立て式?」この言葉が気になってしょうがない。プレハブみたいなものなのだろうか。鉄橋もあるくらいだから、かなりしっかりした造りのはず。
工法の関係で「組み立て式」と呼ばれてるのだろう。早急に国内に1000館の図書館を建設すると言うことで、手軽に建設が行える工法ということで、組み立て式が採用されたと推測される。この建物が、図書館に特化したものなのか、ごくごく普通のハコなのかは不明。
どうしても、墨俣一夜城を思い浮かべてしまう。
2006年01月24日
●小沢さーん。
夕食のとき、NHKにチャンネルを変えるとNHKの首都圏ネットワークで、本日伝えたニュースのヘッドラインの一番下に、
「ICタグで本をもどすロボット」(ちょっとタイトルは違うかも)
という項目があった。
いったいどんなニュースだったのか気になる。
結局、日本ファイリングの自動書庫こと自動コンテナだったりするのかな。ゆうき図書館で間近に見た限り、完全に物流システムでしかない。もう分類とか一切関係なし。コンテナに収めればおしまい。図書館学をかじった人間としては、井戸田潤風に言うと、
「あたし、(書庫とは)認めないよ」
って感じ。
最近、「あまーい」ばっかりで、TVでやるネタじゃ聞かないな。完全に話がそれてる。タイトルも、それまくり。(いいタイトルが思いつかなかった)
2006年01月11日
●音声資料公開の難しさ
貴重資料の画像公開は多く見られるが、音声資料の公開はそうそうないだろう。「これが市川房枝の声」と言われても、実際のところ、閲覧者(聴取者)にとって実感に乏しいだろう。その点で、音声資料の公開が、なんとも微妙なところ。記事で名前の上がっている2人であれば、おそらくニュース映像などで声も残っているから、間違いなく同一人物という特定も出来るだろうけど。興味は沸くけど、一般受けはあまりよくないかも。
まあ、今回の場合、声より話した内容のほうが重要ではあるのだけど。
2005年12月24日
●馬を湖まで。。。
学校図書館を考える市民公開検討会が22日、恵庭市立図書館で開かれた。市民約30人が参加、恵庭市教委が策定中の「学校図書館ステップUPプラン」案について活発に意見交換した。
学校図書館を政策の柱に掲げて取り組んでくれるのは、非常にありがたいこと。でも。。。
>、子供1人当たりの年間図書貸出数100冊を目標とする同プランの策定に着手
本を読ませようというのはいいのだが、100冊というすううち目標は果たしてどうだろ。無理やり読ませたところで、本来の効果は生まれない。馬を湖に連れて行くことは出来るけど、水を飲ませることは出来ない。というように、どう読書意欲を高めるのか。それが重要。高校の恩師の1人は、読書指導に当たって、まず自分が本を読んで感想を書いて生徒に配るという手法をとられていた。2冊出版された。先生も読むんだと言う見本と同時に、なにか関心を惹くような本に生徒が出会えるかもしれない。そういう点で、大いに参考になる試みだと思う。
まあね。最近の大学生を見てつくづく思うだが、所詮やる気の無い人間に何を言っても無駄。と身もフタも無いことを言ってみる。
2005年12月18日
●図書館は実験室。
ICタグでも最新のシステムと言われるなかで、それを超えて静脈認証とは。選択制のもう一方のICカードもたぶん、ICタグだろうから、ずいぶんと積極的な図書館だ。実は図書館は最新技術を試すのには格好の場であったりする。ICタグにしても、商品管理など実証実験の場としては理想的。利用者に蔵書と2種類の豊富なデータがあるので、不具合は無いかなどいろいろな可能性を試せる。
そのうち、虹彩認証なんかも登場しそう。
2005年12月16日
●便利だけど、費用対効果が。
岐阜県図書館でもやっていたけど、効果なしだった。有料配送サービス。コンビに配送でなかなかいいアイデアかと思ったが、往復で800円とかで、かなり割に合わないものだった。たしかに、とsh巻へ立ち寄る時間のない人にとっては非常にありがたいサービスなのだが、どうしても利用料がネックになる。「それだけ出すなら、本屋で買ってブックオフに。っていうか、ブックオフで買ったほうが」という発想になってしまう。
いったい、どの程度利用されるのだろう。
2005年12月11日
●新サービスの創出
宮城県図書館の歴史資料 複製の貸し出しが好評(河北新報会員向け記事)
これからの図書館サービスとして、こういう貴重資料の複写を貸し出すと言うのはなかなかいいアイデアだろう。博物館では、お金を取られるし、ケースに入っているので、複製とはいえ実際に手に取れるのは非常に貴重である。やはり好評とのことで、来年度から提供資料も増えるらしいから、他県にも波及して欲しい。
一番の理想は国会図書館所蔵の資料で行われること。各都道府県立図書館に複製を配って、それを今回の宮城県立図書館方式で貸し出すのが理想か。
複製を販売するという収益モデルも考えられるんだけど、そうすると活用されなくなるのかな。
宮城県立図書館長は、伊達さんなんだねえ。
2005年12月01日
●タイムリーな出展
昨日の図書館総合展で書き漏らしたこと。
最近の強度偽装を踏まえてというわけではないだろうが、免震書架の出展もいくつかあった。宮城県地震では、書架の本が崩れ落ちたというニュースもあった。最近比較的大きい地震が多いこの時勢には周密書架よりも必要といえる。
10月の関東地方の地震では、ウチの2階の書架も少し本が落ちていたそうだ。もともと、天井の高い教室だったところを学部図書室にして、書庫だけ2フロアにしたから、書庫の2階の床は緩い。かなりの確率で、大地震が来れば床が抜けるだろう。建物自体は古いのが怪我の功名で、配管、配線のために柱が空洞になっているということもなく、目いっぱいコンクリが流し込まれているから、意外に丈夫らしい。阪神大震災からしばらくしての耐震調査では、「コンクリがぎっしり詰まっているので安全」とお墨付きを貰ったとか。ただ、もともと2棟だったものをつなげたので、つなげた部分はかなりもろいとか。
しかし、姉歯だけが強度偽装をしているとは到底思われない。国民のほとんどがそう思っているのではないか。建築への不信感を増幅させたという点で、姉歯とその他関わった企業の罪は著しく重い。
一度、職場に営業をかけられて以来、あまり気軽に出展ブースを覗いて、アンケートに答えたり、話を聞いたりする度胸が出ない。だから、飲み物のタダ券も貰えずじまい。まあ、「一般」で入ってしまえばいいんだろうけど。
2005年11月30日
●図書館総合展
図書館総合展に行く。
まず、フォーラム「図書館のnet活用術」を聞く。
TRCの「映像情報net」のサービス紹介を兼ねたものということで、それだったら、同時間開催の「Gppgle and Libraries」の方に出ればよかったなあ、などと思ったり。まあ、どこかIT系ニュースサイトが取り上げるんじゃないかな。内容は、第三の情報革命時代における図書館の資料提供といったところか。
図書館を「知識の提供」と「文化の創造」という2つ役割から、マルチメディア時代の図書館のあり方を考えようというもの。net活用と言っても、検索ツールなどではなく資料提供ツールとしてnet活用であった。映像資料が図書館の資料として重要な役割を果たすようになるなど、図書館の資料提供にも大きな変化が見られるようになった。それらを提供する仕組みをつくるのが、第三の情報革命時代における図書館の司書の役割であるということ。例えば、最近話題のパスファインダーも、大学図書館と公共図書館ではおのずと内容が違ってくる。
確かに、デジタルメディアの充実は図書館の機能を広げる可能性をもたらすけど、活用するのは非常に難しい。生かすも殺すも司書のうで見せ所。でも、今の図書館学ではまだそこまで対応し切れていないのも事実。
久しぶりに大串先生の話を聞くことに。実は昭和女子大のOBなんですよ。(んなあほな)相変わらず、話の脱線が面白い。『アマデウス』や『カルメン』を流したときにはかなり熱が入ってなんのフォーラムか分からなくなりそうに。
出展者プレゼンテーションでは、「図書館向け電子ブックサービス」
紀伊国屋書店が提供する「OCLC NetLibrary」の紹介。システムとしてまず気になったのが、貸出機能。1つの資料につき1アクセスという制限がついていて、閲覧の場合は15分間操作がなければ、ログアウトになる。それに対して貸出は、あらかじめ設定した時間についてアクセス権を与えるというもの。例えば12時間と設定していれば、その間は席を外すなど、アクセスしていなくてもログアウトにならず、アクセス権が保証されるという。学術資料が90%で、資料引用などが基本利用形態となっているので、一般図書のように2週間というような貸出期間は必要ないそうだ。なるほど、OCLCが提供するだけに、利用形態などはきっちり把握している。もう1つ、運営側の視点としては、料金形態がライセンス制ではなく買い切り制というのが面白い。資料ごとに料金が設定されていて、1度それを支払えば、追加料金は基本的には無いとのこと。紙媒体の資料と同じで一度購入すれば、その図書館の「蔵書」ということになる。5年間の完全保障がついていて、それ以降は特別な事態が起こった場合には追加料金を貰うこともある。来年には日本語資料の提供も始まるという。
展示としては、やはりICタグシステムが多い。今年はデジタル資料関連の出展も見られた。そういう点では、大串先生のフォーラムとも合致する。あとは山中湖情報創造館の丸山さんに会う。夏の見学のお礼ついでに少し話をする。丸山さんのblogを読んだり、話をしたりすると、大串先生の言う、第三の情報革命時代の図書館の情報提供の仕組みをつくるという司書の役割に通じるものがある。大串先生の話を聞きながら、デジタルライブラリアンという言葉と丸山さんが思い浮かんだ。個人的には共感する部分も結構ある。
2005年11月28日
●見事な二枚腰?
Google、米国議会図書館の書籍デジタル化プロジェクトに協力
「おおっ、急展開か!?」と思いきや、300万ドルの寄付とのこと。それだけのことかと思いきや、記事の終わりのほうに、
「LOC は、所蔵品をデジタル化する最適な方法を割り出すため、Google など複数のベンダーと協力して、パイロットプロジェクトをいくつか行なっていた」
とあるから、騒動の陰でしっかり実績は積んでいたようだ。なかなかの二枚腰ぶり?他の検索エンジンにも開放とあるが、「Google Book Search」にも影響はあるのだろうか。
30日の図書館総合展のフォーラムを「Google&Librariy」じゃ無くて、「図書館のnet活用」に申し込んだんだよなあ。ちょっと失敗したかも。
2005年11月21日
●結局は自習室なわけですな。
オープン当初から気になっている六本木ヒルズの図書館。ICタグに、会員制、24時間開館と独自路線を打ち出しているだけに、どんな様子なのか一度でいいから見てみたいと思っている。ただ、ウェブサイトの説明や開館してしばらくしてからの説明を見る限り、24時間利用の会費もとても高くて、金持ちのための社交クラブという印象を受けた。まあ、あれだけ敷居が高ければ、24時間開館と聞いたときに思った終電逃した時間つぶしにたむろするという利用が無いのは間違いない。
でもって、なぜかこのタイミングでのニュースリリース。やはり内容を見る限り、図書館を利用というよりは、明らかに自習室の様相。改めてサイトを見ても、新聞は紙媒体よりネットで読めとか、蔵書のコピーは不可とか、さらに蔵書も一般書ばかりらしいというから、ライブラリーといいながら、図書館としての機能はある意味放棄している。基本的にプライベートオフィスのようだ。
2005年11月01日
●隠れレファレンスツール?
Amazon.co.jp、書籍の全文検索サービス開始~中身の“立ち読み”も可能
全文検索も販売と直結していれば、今のところ問題なしのようだ。amazon.co.jpでの購入経験があるので、ためしに使ってみた。
サインインするといきなり、おすすめ商品にこんなのが。。。
冠二郎兄ぃですか。たぶん、これ↓を購入した関係だろう。
「有川君の絶叫」
なんか、欲しくなってきた。「炎」なんて、つかみにはいい曲だし。(そういう基準かい!)
話を戻す。
肝心の使い勝手はというと、ぱっと見は今までの検索と変わらない。検索結果リストに、ヒットした本文箇所の抜粋が掲載され、引用ページを見るためにリンクを進むと、再び認証を行う厳重さ。(これは1回限り)そして、引用ページの画像が出てくる。やや薄い気がするけど、前後2ページまで進める。つまり、合計5ページまで読める。画像の下には「著作権保護コンテンツ」と入っている。正直、ものによってはこの検索結果のページ表示だけで、事足りてしまうかもしれない。自分の研究テーマ「のろし」について「狼煙」で検索したけど、コラム形式の短い説明文だと、ページ画像で確認と引用が済ませられる。実店舗と違って、パソコンを使っているから、結果一覧にでる一部抜粋のテキストのコピペ、画像を見ながらエディタで打ち込む、なんてことが出来るわけで、「その場で必死に暗記」よりもはるかに確実。(デジタル万引き?)もちろん、「これなら買ってもいいかな」と思う本が見つかるのも確か。
そうやってみると、実はレファレンスツールとしてもなかなか有効かもしれない。購入経験のあるユーザーに限定されているので、amazonで購入経験のあるレファレンサーに限られるけど、本文中の単語を検索できるというのはやはり便利。しかも該当ページまで分かるのだから、これほどありがたいことはない。論文の注に書名だけ出ていて、該当箇所を探すのに苦労したりすることもなくなる。タイトルだけでは、記述があるとは思いもよらない本から、見つけ出すことが出来る。なにより、所蔵図書の本文をすべて暗記できる人間などいないので、これは重宝しそうだ。
Google Printもこういうのを目指しているのだろう。このサービスがGoogle Printと大きく違うのは、販売との関係が密接な点と、いわゆるオプトイン方式を採っている点。これそ、win-winな関係。
「ローレン川崎さん、久しぶりだな」なんて、記事を見ながら思った。ジャスパーチャン社長も。CD・DVDストアオープンのときにインタビューをした。初めてインタビューで、メチャメチャ緊張した。
2005年10月27日
●結論の前に競争の兆し
Google Printをめぐって、法廷闘争にまで発展するさなかに、MSNが参入と来た。書籍検索サービスの是非に結論が出ないうちに、競争が始まりつつある。これが、書籍検索サービスを推進するものになるのか、それとも交代させてしまうものになるのか。いずれにしても、時代の流れとしては、書籍もタイトルだけでなく、内容も検索できるようにする方向へ動いているのは間違いない。
便利になるのは確かだけど、やはり図書館そして司書のあり方が問われるのは間違いない。日本で言えば、NIIのWebcat Plusを一気に追い越すものだし、MAGAZINE PLUSなども完全に脅かされる。レファンレナサーとしての司書の能力の発揮どころも難しくなるように思う。